江戸の看板文化
日本には古くから「江戸看板」という看板文化があります。
当時はまだ文字を読める人の少ない世の中。
その多くは天然の木を使ったものが多く、それを見ただけで何のお店かがわかる「デザイン」は今改めて見ると遊び心がありユニーク、その手作りの風合いに心が和みます。
景観になじみ、人の心を豊かにしてくれる、遊び心のある木彫り看板。
江戸看板文化に習い、井波彫刻の技術で新しい「看板文化」を作っていきたいと、そう思うのです。
木彫り看板
「木のわ」立ち上げ
南部白雲木彫刻工房は、国指定伝統工芸「井波彫刻」の工房として、120年以上にわたりその伝統と技を育んできました。
全国各地で衰退していく伝統文化もあれば、次世代に継ぐ事に尽力し、新たに日の目をあび進化するものもあります。三代目白雲は平成元年頃より、井波彫刻の新たな伝統の一つにと「木彫り看板」に力を注いできました。
「木彫刻を生業とするには、仕事があるということが大前提。
そしてそこに”魅力”がなければ後継者は育たない」
現代に受け入れられるものを、そして井波彫刻に”魅力”を。
その想いの結実として、平成29年に木彫り看板制作事業「木のわ」を立ち上げました。
木のわの「わ」には3つの意味を込めました。
ひとつめは年輪の「輪」
木の恩恵に感謝を。そして年輪のようにコツコツと積み重ねていくことを大切に。
ふたつめは日本の「和」
日常の中に遊び心を。そんな日本人の豊かな文化を忘れずに。
みっつめは人のつながりを意味する「輪」
木彫り看板が人と人、縁をつないでいってくれますように。
木の看板を彫ることが巡り巡って豊かな「わ」となっていったら・・・
そんな嬉しいことはありません。